樹木葬の費用相場はいくらなの?内訳や料金を左右する要因を解説!

お墓

近年、自然葬の一種である樹木葬を供養方法として選ぶ方が増えてきています。皆さんは、樹木葬を行う際にかかる費用がどのくらいかご存知ですか?今回は、樹木葬にかかる費用相場がどれくらいなのか、料金の内訳や形態による違いとともに詳しく紹介していきます。

樹木葬にかかる費用ってどれくらいなの?

近年、死んだ後は自然に還りたいという意識が高まり、樹木葬を選ぶ方が増えてきています。
とはいえ、樹木葬については関心があるものの、費用がどれくらいかかるものなのかご存じでない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回終活ねっとでは、そんな樹木葬にかかる費用がどれくらいなのか、費用の相場やその内訳について詳しく紹介していきます。

今回ご紹介する内容は以下の通りです。

  • そもそも樹木葬とは?樹木葬が一体どのようなものなのか解説します。
  • 樹木葬にかかる費用はどれくらいなのか?樹木葬にかかる費用を埋葬方法別に解説します。
  • 樹木葬にかかる費用はどのように決まるのか?樹木葬にかかる費用を決定する要因を個別に解説します。
  • 全国の樹木葬ができる墓地霊園の紹介全国の樹木葬ができるおすすめの墓地霊園を紹介します。
  • 樹木葬のメリット・デメリット樹木葬を検討するにあたって、知っておきたいメリット・デメリットを解説します。
  • 散骨をする樹木葬もある?散骨タイプの樹木葬がどのようなものなのか紹介します。
  • ペットのための樹木葬ペットと一緒に入れる樹木葬やペット専用の樹木葬を紹介します。

今回は、樹木葬にかかる費用について詳しく紹介するだけでなく、樹木葬を行うメリット・デメリットや、全国の樹木葬ができる墓地霊園についても紹介していきます。
樹木葬をお考えの方、また樹木葬のできる墓地霊園をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。

今回ご紹介する内容が少しでもお墓のことでお悩みの皆さんのお力になれれば幸いです。
ぜひ最後でお読みください。

樹木葬ってどんな供養形態なの?

そもそも、樹木葬とはどのような供養形態のことなのかご存じでない方もいらっしゃると思います。
ここではまず始めに、樹木葬とはどのような供養方法なのか紹介していきます。

樹木葬とは、墓石を建てずに樹木を墓標としてご遺骨を埋葬する方法のことです。
樹木の下にご遺骨を埋葬することによって、自然に還ることができます。

昨今、核家族化が進展し、子供のいない家族や一人っ子が増加しています。
この流れの中でお墓を継ぐという意識が低下しつつあり、お墓を継承していくことが困難になってきました。
そこでお墓の継承者が不要で、経済的な負担も少ない自然葬が近年注目されるようになりました。

散骨などの自然葬の人気の高まりに伴って、樹木葬も非常に高い人気を誇っています。
日本だけでなく、ドイツやスイスといった海外の国々でも樹木葬はかなり浸透してきています。

樹木葬にかかる費用

では、樹木葬にかかる費用は一体どれくらいなのでしょうか?

樹木葬には、主に合祀型・集合型・個別型の3つの埋葬方法があり、それぞれの埋葬方法によって必要になる費用が異なります。
それぞれの埋葬方法の費用の相場は以下のようになっています。

  • 合祀型樹木葬:約5万円~20万円
  • 集合型樹木葬:約15万円~60万円
  • 個別型樹木葬:約20万円~80万円

ここからは、樹木葬の費用を埋葬方法別に詳しく紹介していきます。

合祀型の樹木葬

合祀型とは、シンボルとなる大きな樹木の元に他の家族の方とご遺骨を一緒に埋葬するタイプの樹木葬のことです。
合祀をする際は、ご遺骨を粉骨してから埋葬を行います。

樹木葬をするために必要なスペースが少なくて済むことや個別に管理する必要がないことから、料金はかなり安くなっています。
合祀型の樹木葬にかかる費用の相場は約5万円~20万円で、年間の管理費も不必要な場合がほとんどです。

なお合祀型では、ご遺骨を埋葬された場所は特定できないので、お墓参りをしたときに故人のご遺骨と個別に向き合うことはできず、再びご遺骨を取り出すことも不可能となります。

集合型の樹木葬

集合型とは、合祀型と同じく、複数の方のご遺骨をシンボルとなる樹木の下に埋葬するタイプの樹木葬のことです。
合祀型と異なるのは、埋葬する場所の地下の区画を個別に分けて埋葬するので、故人のご遺骨が他の方のご遺骨と一緒にならない点です。
カロート(納骨室)には個人あるいは夫婦・家族単位で入ることとなります。

合祀型ほど費用は抑えられませんが、必要とするスペースはそれほど大きくないため、従来のお墓や次に紹介する個別型の樹木葬と比べれば、値段はそれほど高くありません。

集合型の樹木葬にかかる費用の相場は一人あたり約15万円~60万円で、別途管理費が年間8千円~2万円程度必要になる場合が多いです。

個別型の樹木葬

個別型とは、1本の樹木をそれぞれ個別に用意し、その下にご遺骨を埋葬する樹木葬のことです。
合祀型や集合型と大きく異なるのは、個人・夫婦・家族などのまとまった世帯の単位ごとに個別に区画が用意されていることです。
それぞれのお墓に樹木を植えることができ、それぞれ樹木を選ぶことができる場合があります。

個別型の樹木葬には、従来のお墓と同じようにお墓参りをすることができるというメリットがあります。
シンボルとなる木の代わりに、周辺に草花を植えプレート墓石を置く場合もあります。

個別に区画を確保するため、料金は合祀型や集合型と比べて少し高くなります。
個別型の樹木葬にかかる費用の相場は一人あたり約20万円~80万円で、管理費が年間8千円~2万円程度かかります。

また、集合型・個別型の樹木葬でも、33回忌といった一定期間経過後には合祀されるのが一般的です。

終活.net
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以上のように同じ樹木葬の場合でも合祀型が安く、個別型が高くなりますが、その人の家族構成やライフスタイルによってどのタイプが良いのか決めるのが良いでしょう。

樹木葬にかかる費用を決める要因

樹木葬にかかる費用は、埋葬方法ごとに異なるということをこれまで確認してきました。

ここでは、埋葬方法の他に樹木葬の費用を決める要因はなんであるのかを紹介していきます。

埋葬するために必要となる費用

従来のお墓に埋葬するために必要な費用は、永代使用料・墓石代・管理費などが挙げられます。
石材の種類や使用する石材の量にもよりますが、墓石代を含めるとお墓を建てるためにかかる費用は、100〜200万円ほどになります。

それに対し樹木の下に埋葬するためにかかる費用には、墓石代は含まれず、大きく分けて永代使用料(永代供養料)と管理費のみになります。

永代使用料/永代供養料

従来からの墓地・霊園でお墓を建てる場合、遺族の方が永代にわたって承継していく権利を持つことになるため、永代使用料は100万円以上かかることもあります。

しかし、樹木葬は基本永代供養であり、権利を承継しません。
一代限りの使用であるため、墓地・霊園の使用料である永代使用料/永代供養料の相場は、約20万円~80万円と安くなっています。

この永代使用料/永代供養料は、個別型・集合型の樹木葬の場合、墓地・霊園の立地条件だけでなく、定められた契約期間によっても変動します。

樹木代はこの永代使用料/永代供養料に含まれていることがほとんどです。
プレートなどを設置する場合には別途追加費用がかかることもあります。

管理費

管理費とは、運営者が墓地・霊園を管理していくために必要な費用のことです。

永代供養である樹木葬は基本管理費を必要としませんが、個別型・集合型の樹木葬の場合、年間管理費が約8千円~2万円かかることがあります。
契約時に、契約期間の管理費を一括で支払う場合もあります。

墓地霊園の種類

墓地・霊園の種類によっても樹木葬にかかる費用は異なります。

樹木葬を行うことができる墓地・霊園には、大きく分けて公園型樹木葬と里山型樹木葬の2つのタイプがあります。

公園型樹木葬

公園型樹木葬とは、都市部の墓地・霊園内やその周辺において、公園のようにきれいに整備された区画を設けて、樹木や草花を植えて埋葬する樹木葬です。

公園型の場合、都市部もしくは都市近郊に立地していることが多いことから、里山型と比べて永代使用料/永代供養料が高くなる傾向があります。
また、墓地・霊園の維持のために多額の費用が必要であることから、管理費も少し高くなっていることが多いです。

そんな公園型樹木葬にかかる費用の相場は、合祀型は約15万円個別型は約80万円です。

なお、公園型樹木葬のメリットには、

  • 墓地・霊園は明るい雰囲気で、管理が隅々まで行き届いていることがほとんど。
  • 広大な土地を必要としないので、都会に多く参拝がしやすい場所にある。

といったことが挙げられます。
また、デメリットには

  • 里山型の樹木葬と比べると、自然環境の保全や自然回帰の意識が希薄になってしまう。

といったことが挙げられます。

里山型樹木葬

里山型樹木葬とは、里山の山林のような美しい自然に包まれた環境で埋葬する樹木葬です。
ご遺骨を最も自然に近い場所に還すことができます。
また、埋葬の際に樹木を新たに植樹することが多く、里山を守り育てる意義のある埋葬方法でもあります。

里山型の場合、広大な土地を必要とするものの、都市部から離れた場所に立地していることが多いことから、永代使用料/永代供養料はそれほど高くならない場合が多いです。
管理費が必要になった場合も、ほとんど高額になることはありません。

里山型樹木葬にかかる費用の相場は、合祀型が約20万円個別型が約70万円になります。

なお、里山型樹木葬のメリットには、

  • 骨壺からご遺骨を取り出して大地に埋葬するので、自然と一体化して眠ることができる。
  • 寺院や霊園が管理する里山に植樹するので、自然環境の保全にも寄与することができる。
  • 同じ自然葬である散骨と異なり、埋骨場所が特定できるのでお墓参りも可能。

といったことが挙げられます。
また、デメリットには、

  • 広大な土地を必要とするので都心から離れた場所にあり、アクセスが良くない場合がある。
  • 目印となる木がわかりにくく、埋葬場所が特定できなくなる場合もある。
  • 管理がしにくく、お墓が荒れたりする恐れもある。

といったことが挙げられます。

墓地霊園の管理母体

墓地霊園の管理母体によっても、樹木葬にかかる費用は変わってきます。

墓地霊園には、主に公営霊園・民営霊園・寺院墓地の3つの管理母体があります。

公営霊園

公営霊園とは、自治体が運営する墓地・霊園のことです。
都道府県や市区町村などの地方自治体が管理をしている公営の樹木葬はさほど多くはありませんが、公園型のものが主流となっています。

公営の墓地・霊園であるため、料金が非常に安くなっており、公営霊園で樹木葬を行う際にかかる費用の相場は約10万円~60万円です。

経営面で問題が起きるリスクが非常に低いので、安心して利用することができるのも特徴の一つです。
ただし、公営の樹木葬墓地は人気がありますので、非常に高い倍率の抽選となり、当選することが難しくなっています。
また、生前予約をすることができなかったり、利用資格や条件が設けられていたりする場合があります。

民営霊園

民営霊園とは、宗教法人あるいは、財団法人などの公益法人が運営する墓地・霊園のことです。
民営で運営されている樹木葬墓地は数多くあり、公営霊園のような利用資格・条件もほとんどないため、様々な選択肢が用意されています。

民営霊園で樹木葬を行う際にかかる費用の相場は、立地条件や埋葬の形態などによって異なるため、約15万円〜100万円とかなり幅があります。

公営霊園ほど安くはないものの、従来のお墓を建てるよりも費用を抑えることができます。

寺院墓地

寺院墓地とは、寺院が運営する墓地・霊園のことです。

樹木葬は岩手県にある祥雲寺という寺院の住職が、自然葬である散骨に影響を受けて、緑豊かな里山の自然を守ることを目的として1999年に始めたものです。
現在、樹木葬は全国的に普及し、寺院墓地にある樹木葬の数が最も多くなっています。

寺院の樹木葬であっても檀家になる必要はないのが普通ですが、供養の方法についてはお寺の宗派にのっとって執り行われることがほとんどです。

寺院墓地で樹木葬を行う際にかかる費用の相場は、約40万円~100万円です。

寺院墓地の場合、檀家にならないといけないといった条件がついている場合もあり、入檀料やお布施代などが追加で必要になることがあります。

墓地霊園の立地条件

墓地霊園のある立地も、樹木葬にかかる費用に大きく影響します。
立地条件が良い墓地霊園であれば、やはりその分樹木葬をするために必要な費用は高くなります。

立地条件以外にも、区画の面積といった条件なども費用を決定する要因になります。

納骨をする人数

従来のお墓であれば、人数分のお墓を建てずとも、家族全員同じお墓に埋葬することができます。

ですが、樹木葬の場合は納骨する人の数だけ費用がかかります。
納骨を複数人する場合などは注意が必要です。

全国の樹木葬ができる墓地霊園の紹介

ここまで樹木葬にかかる費用について一通り確認してきました。

では、実際にどのような墓地霊園で樹木葬は行われているのでしょうか?
ここでは、全国の樹木葬ができるおすすめの墓地霊園をご紹介していきます。

東京都

東京都では、民営霊園・寺院墓地だけでなく、都立霊園(公営霊園)でも樹木葬を行うことができます。
ここでは、都立小平霊園・府中ふれあいパーク・高輪庭苑をご紹介します。

都立小平霊園

都立小平霊園は、都立霊園の中で初めて樹木葬を行った霊園になります。
都立小平霊園で可能な樹木葬には、以下の2種類があります。

  • 樹林墓地(樹林型合葬埋蔵施設)ご遺骨を合祀して埋葬するタイプの樹木葬です。
  • 樹木墓地(樹木型合葬埋蔵施設)ご遺骨を個別に埋葬するタイプの樹木葬です。

都立霊園で行うことのできる樹木葬は費用が安いことなどから非常に人気が高く、例年募集の倍率がとても高くなっています。

府中ふれあいパーク

府中ふれあいパークは、東京都府中市にある日本で初めてバラの下で眠ることができる樹木葬を行なった霊園です。
園内は、西欧の公園墓地のような作りであり、緑あふれる空間になっています。

高輪庭苑

高輪庭苑は、東京都港区にあるモダンで美しい寺院墓地です。
ペットと一緒に入ることもできる他、一人用・二人用などのタイプが用意されています。

樹木葬を行うメリットとデメリット

ここまで、樹木葬にかかる費用について詳しく紹介してきました。
とはいえ、樹木葬を利用することの利点、あるいは欠点はどのような点があるのでしょうか?

ここでは、樹木葬を検討するにあたって知っておきたいメリットとデメリットを紹介します。

メリット

まずは、樹木葬のメリットを確認しておきましょう。

従来のお墓に比べ費用を抑えられる

樹木葬は通常のお墓と比べると、一般的に費用を安く抑えることができます。
その最も大きな理由が、墓石を必要としないということです。

墓石を建てるお墓だと、墓石代や工事費などで50万円~150万円ほどかかり、永代使用料を含めると総額100万円~200万円ほどがかかります。

樹木葬では墓石の代わりに墓標となる樹木が必要となってきますが、その代金は1万円~5万円程度に収めることができます。
そのため、墓地の立地条件でも異なりますが、個別に埋葬する樹木葬でも永代使用料/永代供養や管理費などを含めても1人あたり約20万円~80万円に費用を抑えることができます。

また、他人のご遺骨と一緒に埋葬される合祀にすれば、さらに費用を抑えることができます。
ただしほかにプレートなどの墓碑銘や戒名・位牌などを作った場合には、別途オプション料金がかかることがあります。

お墓の後継ぎや管理に関する心配が不要

樹木葬には、個別に埋葬されるタイプや合祀タイプがありますが、樹木葬のほとんどは永代供養です。
そのため故人の家族や近親者がお墓の管理を行わなくても、墓地・霊園を管理している運営者が永代にわたって供養をしてくれます。
ですので樹木葬を行う場合、お墓の後継ぎや管理に関する心配が必要ありません

また、従来からのお墓であれば供養を行うためにお布施代が別途必要になりますが、樹木葬の場合は永代供養であるのでお布施代を後から支払う必要は普通ありません。

宗旨や宗派などの宗教的な制約がない

樹木葬には公営・民営・寺院が運営するものがありますが、公営や民営の場合はもちろんのこと、寺院が運営する墓地・霊園でも樹木葬をする際に宗教的な制約はほとんどありません

供養の方法などについては寺院の宗旨・宗派によって異なることになりますが、経営母体が寺院の墓地・霊園であっても、必ず檀家にならなくてはいけないといった宗教的な制約は普通ありません。

生前購入が可能

樹木葬は近年非常に人気が高く、需要に供給が追いついていない状況が続いています。

ですが合祀型の樹木葬の場合、必要となるスペースがほとんどないことから、予約をしておけば生前購入することが可能です。
合祀型樹木葬は、終活でご自身のお墓をお探しの方に適したお墓であるとも言えます。

自然志向の考え方に適している

死んだら自然に還りたいという自然志向の流れから生まれたのが、樹木葬や散骨などの自然葬です。
樹木葬は、桜やハナミズキなどの樹木を墓標として、花や芝生などの美しい自然に囲まれた空間に埋葬します。

樹木葬では四季折々の自然に囲まれた里山や、心癒される公園のような墓地霊園の中に埋葬され深い眠りにつくことができます。
供養に訪れる人もピクニック気分で心穏やかに参拝し、故人を偲ぶことができるでしょう。

デメリット

樹木葬は費用を抑えることができるだけでなく、自然環境に寄与することができるというメリットがあります。

とはいえ、樹木葬はメリットだけではなく、デメリット・注意点もあります。
ここでは樹木葬にあるデメリットをご説明しますので、よく考えて決めていただきたいと思います。

親族とトラブルになる場合がある

樹木葬を行う場合、親族からの反対が起こることがあります。
樹木葬を利用したいと思う人で、特に家族がいる人は樹木葬について理解を求めておく必要があります。

自分で死後の世界まで完結し家族に迷惑をかけないと言っても、残された家族は墓石のあるお墓にお参りがしたいと思う場合もあるに違いありません。
また年間の管理費用がかかる場合には、これがトラブルの原因になることがあるかもしれません。

いずれにしても残された家族のために、家族の希望も聞いてから埋葬方法を決めることが望まれます。

お墓の手入れが大変な場合がある

樹木葬の場合、お墓の手入れが大変なこともあります。

公園タイプの樹木葬では、樹木を中心として自然の草花を周辺に植えます。
合祀タイプのお墓であれば、お墓を管理する施設がお墓の手入れを行いますが、個別タイプの場合草取りなどの作業が大変になることもあります。

また里山タイプの樹木葬では、木々が大きくなり雑草が生えてしまい、あっという間に荒れてしまうことがあります。
自然に還るという意味では当然のことかも知れませんが、それでは残された家族は悲しくなることもあるに違いありません。

ご遺骨の取り出しが難しい

樹木葬には個別に納骨する場合と合祀する場合がありますが、合祀の場合には他の方のご遺骨と一緒になるため、ご遺骨の取り出しが難しくなります。

ご遺骨を取り出せなければ改葬などを行うことができず、遺族間でトラブルになる可能性もあります。

供養をしている実感がわきにくい場合がある

伝統的なお墓であれば、墓石を建ててその下にご遺骨を納めるので、その重厚さから供養をしているという満足感を得ることができます。

公園型樹木葬の場合、目印となる木が植えてあっても、お墓という重厚さを感じないという人もいます。
合祀型ともなると、他人のご遺骨と一緒に埋葬されるので故人を供養しているという実感が湧かないこともあるでしょう。

また里山型にすれば、自然とお墓が同化するため、埋葬している場所さえ分からなくなる場合もあります。

散骨をする樹木葬もある?

木

ご遺骨を樹木の下に埋葬するタイプのほかに、樹木の周りに散骨を行うタイプの樹木葬もあります。
散骨であれば、埋葬に費用はかからず、必要なのは粉骨にかかる費用だけになります。

散骨を行う樹木葬は、埋葬をしていないので墓地埋葬法といった法律による制限はありません。
ですが、散骨と同じように近隣への迷惑などのないように、節度を持って行う必要があります。

ペットのための樹木葬もある

最近では人間だけでなくペットのための樹木葬も登場しています。

ペットの樹木葬には、家族の一員として人間と一緒に埋葬するタイプのものと、ペットのみを埋葬するタイプのものがあります。

ペットと一緒に眠れる樹木葬

ペットの埋葬は、法律によって規制されていません。
ですが、ペットと人間が一緒に入ることのできる墓地・霊園は限られています。
これは仏教では動物を畜生だとしているため、一緒に埋葬することを避けることが多いからです。

樹木葬は、宗教にとらわれない供養方法であるため、ペットと一緒に眠れることがあります。
ペットと一緒に埋葬ができる樹木葬のタイプは個別タイプがほとんどで、合祀タイプでの樹木葬はめったにありません。

ペットと一緒に入れる樹木葬にかかる費用は、人間を埋葬する樹木葬にかかる費用とほとんど変わらないくらいです。

ペットのみを埋葬する樹木葬

ペットのみを埋葬するためのお墓としては、墓石を建てるお墓や納骨堂がメジャーですが、樹木葬もあります。

ペット専用の樹木葬ができる墓地・霊園にも、里山型と公園型があり、埋葬方法も個別・集合・合祀に分かれます。
ペットのみを埋葬する樹木葬の料金の相場は、個別タイプが約1~8万円合祀タイプが約5000~2万円となります。

樹木葬にかかる費用まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回終活ねっとでは、樹木葬にかかる費用について詳しく紹介してきました。

樹木葬にかかる費用の相場について、もう一度確認しておきましょう。

樹木葬の種類費用の相場
合祀型5万円~20万円
集合型15万円~60万円
個別型20万円~80万円

また、今回ご紹介した内容を以下にまとめています。

  • 樹木葬とは、墓石を建てずに樹木を墓標とする埋葬方法のこと。
  • 樹木葬にかかる費用は、「埋葬にかかる費用」「墓地霊園の種類や管理母体」「墓地霊園の立地条件」「納骨する人数」などによって変動する。
  • 樹木葬を行うメリットには「費用を抑えられること」「承継者を必要としないこと」「宗教的制約がないこと」「生前購入が可能なこと」「自然に還ることができること」が挙げられる。
  • 樹木葬を行うデメリットには「親族から理解を得にくいこと」「お墓の手入れが大変なこと」「ご遺骨を取り出しにくいこと」「供養の実感が得にくいこと」が挙げられる。
  • 散骨で樹木葬を行うこともできるが、近隣の住民への配慮などを忘れない。
  • ペットのための樹木葬には、「人間とペットが一緒に入れる樹木葬」と「ペットだけが入る樹木葬」がある。

最近では、お墓の継承者がいない方や、お墓が遠方にありなかなかお墓参りに行くことができないとう方が増加しており、継承者が不要で経済的負担が少ない樹木葬を利用する方が増えてきています。

とはいえ、ご紹介してきたようにいざ樹木葬をすると言っても様々な要因によって費用は大きく変わるため、樹木葬をお考えの方は事前によく下調べをすることが大切です。

今回ご紹介した内容が少しでもお墓のことでお悩みの皆さんのお力になれれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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